セフターNEXT-ネクスト-開発者座談会

約5年半にわたる開発期間を経て、2013年7月、ついにコープの新しい粉末洗剤であるセフターネクストが発売されました。粉末なのにすすぎ1回、使用量は従来品(※)の2/3という、今までに類をみない画期的な衣料用洗剤です。開発にかかわった職員に、商品化にいたるまでの苦労、セフターNEXTに込めた思いなどをインタビューしました。※CO.OPセフターEとの比較出席者:坂田智勇(生産技術部)/岡安裕介(生産技術部)/犬飼 勲(生産技術部)/石田裕美子(営業部 商品企画グループ)/石井陽子(営業部)

開発がスタートしたのは、2008年。環境のことを本当に考えた洗剤を作ろう、それが出発点でした。

坂田 智勇 : 現・生産技術部
(2008年1月~10月 開発担当)

「今までと全くちがう物をやる、白紙からのスタートでした」
── セフターNEXTが企画されたきっかけは何だったのでしょうか?
坂田: 弊社はこれまでも、洗剤の使用量が少ないにもかかわらず、優れた洗浄力を実現した衣料用洗剤セフターEを開発してきましたが、酵素メーカーから、酵素を中心とした、もっと使用量が少なく環境にやさしい洗剤ができますというプレゼンを受け、そのコンセプトが私どもコープクリーンが求めている洗剤と一致しているので、当時の鳴海研究所所長から、研究開発せよとの業務命令が出されました。
── 最初にめざした商品仕様は、どのようなものだったのですか?
坂田: 最初は標準使用量(水30Lのとき)を5gや7.5gにすることをめざしていました。当時は通常の商品開発というよりは、環境指向型の洗剤を研究し、発信していくという側面が大きかったです。
── どんなことに一番苦労されましたか?
坂田: それだけ標準使用量が少ない物が世の中になく、さらに今までの製造工程と全くちがう物をやるという、ほとんど白紙からのスタートだったことです。
── 製造工程のちがいとは何ですか?
坂田: 従来のセフターEの製造工程でいうと、まず原料を混ぜ合わせ、ドロドロのペースト状にし、それをタンクの上からスプレーみたいに噴いたものを、熱風で下から乾燥させて粉状にしています。製造工程では、ここに一番エネルギーがかかるんです。セフターNEXTではできるだけ製造にかかるエネルギーを削減するため、この工程をスキップすることを考えました。しかし初めはべたついて機械を通らなかったり、なかなかうまく行きませんでした。
セフターEとセフターNEXTの製造工程の違い
── 10ヶ月ほどセフターNEXTの開発に携わった後、担当者交替になりますが、開発はどこまで進みましたか?
坂田: 一応の処方が完成して、工場でなんとかできそうだというところまでですね。でもその時にはまだ粉にする工程がうまくいかない状態でした。

原料探しに四苦八苦。試行錯誤の連続でした。

犬飼 勲 : 現・生産技術部
(2008年11月~2009年8月、2010年4月~ 開発担当)部)

「なぜ溶け残るのか、原因を徹底解明しました!」


岡安 裕介 : 現・生産技術部
(2009年9月~2010年3月開発担当)

「いきなり大仕事がきたな!と思いました」
── そして2008年1月に次の担当者、犬飼さんにバトンタッチとなります。その時の課題はどのようなものでしたか?
犬飼: 一応のプロトタイプはできているけれど、完成にいたるまではまだ越えなければいけない壁がいくつもあるという状態でしたね。実際の生産ラインで安定した生産ができるようにするのが一番の課題でした。噴霧・乾燥の工程なしに粒をつくる工程が、うまくいく原料を探すのが問題で、担当していた約1年間は、そのために試行錯誤を繰り返しているという状態でした。
── そしてこれが岡安さんに受け継がれるわけですね。
岡安:2009年の9月の7日!それから3月24日までの約半年間を担当していました。

犬飼::日にちまで覚えているんだ!
── 岡安さんは当時新人で、研修を終えたばかりだったんですよね。セフターNEXTの担当になった時の感想はいかがでしたか?
岡安:いきなり大仕事がきたなというのが第一印象ですね。入社1年たってからですから。
── 岡安さんの時の課題はどういうものでしたか?
岡安: 引き継いだ当初は標準使用量7.5gを目標に開発研究していたのですが、その頃市場に10g仕様の液体洗剤がでまわって、10gの方がわかりやすいし、量を増やす分洗浄力も上げられるから、10gでいこうということになりました。 僕は標準使用量を増やす分、泥や皮脂の洗浄力を上げて、セフターEと同等の洗浄力を持たせられるように努力していました。メーカーさんに聞いて、かたっぱしから原材料をかき集めて、一日中テスト用洗濯機をガッタンコガッタンコ回して洗浄力テストの毎日でした。成分を少しずつ変えて試していったり…その中で洗浄力もあり、生産ラインに安静してのせられる処方がだんだんと固まっていきました。
── そしてまた再び犬飼さんが担当交替になるわけですね。2010年4月、洗浄力も上がり、安定した生産もできる処方になってきた、あともう少しで完成!といった様子ですが…
犬飼: ここからが大変だったんですよ…テストではもうばっちりだ、じゃあ次は本番で使う設備でやろう!と。機械が大きくなるだけで、大きな問題はないだろうと思ったんです。ところがどっこい!だったんですよね…
実際に本番機にかけたら、粉の出来が全然違うものになってしまったんです。作ってみた粉で性能を確かめてみたら、すごく溶けが悪い。これをこのまま発売することはできない、なんとか溶けるように改善しようと色々な解決方法に着手しました。それが2010年の10月くらいです。

なぜ溶けないのか?洗濯機を改造して徹底解明!

セフターNEXTは
ずっと見守ってきた商品
いい所を伝えたい

石田 裕美子
営業部 商品企画グループ


セフターNEXTの開発当時、私は研究部にいたので、みんなががんばって作っているのを見守っていました。セフターNEXTのいい所ができるだけ多くの方に伝わるように、アピールしていきたいと思います。
── 溶けの悪さは、どのように改善していったのでしょうか?
犬飼: まずは溶けない原因というものを調査しました。溶け残った物をみて、どうしてこうなったんだろうとか、洗濯機を改造してカメラを仕込んで、どうやって溶けのこるのかとか原因を徹底的に調査したんです。そしてまた原材料を見直したりして、改善していきました。
── セフターNEXTにはパーム油由来の洗浄成分、MES(アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム)が、配合されていますが、これを採用したのはこの頃ですか?
犬飼: サンプルを入手したのは2011年の4月あたりだと思います。MESは植物由来の成分なので、CO2問題にも対処できるし、少量でも優れた洗浄力を発揮するので、標準使用量を抑えたいネクストにとっては素晴らしい洗浄成分なんです。そしてここから1年くらいかけて、最終的な処方を固めていきました。
── そして今、セフターNEXTが完成し、ついに発売となりました!皆さんそれぞれのご感想をいただけますか?
坂田 :私が担当していた時は失敗に失敗を重ねていましたので、それをあたたかい目でみていてくれた当時の鳴海常務や川俣部長に感謝しています。また色々アドバイスいただいた当時の研究企画担当・橋本さんにも感謝しています。
あとは何といっても、私の後を引き継いで、何とかここまでこぎ着けて形にしてくれた犬飼さんや岡安さん、営業部の方やスタッフの方には感謝しています。セフターNEXTはつくるためのエネルギーはカットして、標準使用量も10gにしていますので、ぜひ組合員さまが、“自分がセフターNEXTを購入することが、環境に貢献することにつながる”という意識をもって、どんどん買っていただけたら嬉しいです。

岡安: ぼくからするとここが始まりって感じですね。今ぼくは生産技術部で、セフターNEXTの生産工場の担当をしているんです。やっとできあがったけど、生産はこれから始めるんで、みなさんにいい物を提供するためにがんばります!

犬飼: セフターNEXTはコープクリーンの環境問題に対する概念をひとつの形にした商品なんですね。これをいかにしてアピールするかというために作ったので、あんまりゴールをしたという感想はなく、これが第一歩だと思っています。
── ありがとうございました!