RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)について

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1. RSPOが設立された理由

パームオイルは油脂の中では既に大豆油を上回る最大の生産量となっており、食品工業、非食品工業における重要な資源として様々な用途に使われております。コープクリーンも洗剤原料としてパーム油から作られる高級アルコールを大量に使用しております。しかしながら一方で、パーム農園の拡大が、生物多様性保護にとっては極めて貴重な熱帯雨林地域の環境破壊を招いているという事実も認められております。このような状況の中で、パームオイルの持続的発展が可能な生産と使用の仕組みを作り上げ、世界の各国がそれを受け入れ、実行して行くことが求められて来ました。RSPOはこの問題に取り組み、持続可能なパームオイルの生産と使用を促進するために設立されたものです。

2. RSPO設立から現在までの経過

RSPOの発案者はWWF(世界自然保護基金)で、2002年にミグロス、ユニリーバ、セインズベリー、マレーシアパームオイル研究所等の協力の下に、 RSPOの組織統治機構の設立を準備するための委員会が設置されました。2003年8月、16カ国200人の参加の下、マレーシアのクアラルンプールで設立総会が開催され、2004年4月に「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」として設立されました。RSPOが目標とするところは、“持続可能なパーム油が標準となるよう市場を変革する”ことであり、そのために、生産と流通における認証制度を確立し、それを広く世界に普及する事にあります。2007年度のRSPO総会で、この認証制度が提案承認され、2008年に初めてのRSPO認証を受けたパーム油が市場にデビューしました。2011年末には、会員数が50カ国、1000団体以上となりました。2012年に生産されたRSPO認証油は800万tを越し、パーム油全体の15%に相当します。

3. RSPOの会員

2013年2月現在の会員数は約1200団体で、その内訳は製油業者及び商社が38%、消費者製品製造業者36%、パーム生産者15%、流通小売業6%、環境・自然保護NGO3%、社会活動NGO1%、銀行・投資家1%となっています。日本では27社、コープクリーンの他、サラヤ、ライオン、花王、玉の肌石鹸と、伊藤忠、三井物産、その他三菱商事、日清オイリオ、不二製油も会員登録されています。流通関係ではミグロス、セインズベリーの他、イギリス生協連、スイス生協、ウオルマート、テスコ等が参加しております。会員に対しては、 RSPOの活動を積極的に支え、持続的発展可能なパームオイル生産、調達、消費を促進させるために最善を尽くし、RSPOの諸活動を正しく伝えるために努力する事等が求められております。

4. 持続的発展可能なパームオイル生産のための原則、基準(P&C)

持続可能なパーム油生産の実現に向け、RSPOは2007年に8つの原則と39の基準を提示しました。その後、状況の変化に対応できるよう、5年おきに見直しが行われ、2013年4月に8つの原則と43の基準に改定されました。以下に8つの原則の概要について紹介します。

  1. 透明性の確保。現地生産者は他のステークホルダーに対して十分な情報を提供する事が義務付けられています。
  2. 法律の遵守。地域、国の法規制、及び国際的な法規制の全てが対象となっています。最近頻発しているパーム生産地域での土地の使用権を巡る問題にも言及しています。
  3. 長期的な経済性及び財務の健全性を確保することを目的とした実現可能なマネジメントの必要性が強調されています。
  4. パーム椰子栽培者に対して自然環境保護の立場から、土壌管理、化学物質の使用等の栽培基準が具体的に明示されております。
  5. 自然環境への責任及び天然資源と生物多様性の保護に関する項目で、リサイクル、廃棄物管理、再生エネルギーの活用、汚染物質、温暖化ガスの排出削減についても明記されています。
  6. パーム椰子生産と搾油に関わる従業員及び個人に対する責任ある配慮について規定されており、労働法規の遵守、児童労働の禁止、母性保護等が掲げられています。
  7. 新たに耕作地を開発する場合に求められる責任について述べられており、原始林或いは、高い保存価値を持つ地域の開墾規制等が定められております。
  8. パーム椰子生産者及び搾油業者の諸活動、開発行為、実行計画を恒常的にモニターしレビューする必要性が記述されています。

5. 持続可能なパームオイルの認証制度について

パーム農園から始まり、最終製品ができるまでの各工程を認証することにより、全工程にわたる管理の連鎖がつながり、最終製品中のパーム油の追跡が可能となります。RSPOでは各工程での認証制度として、生産段階での「原則と基準」(P&C)に則って持続可能な生産が行われていることの認証(P&C認証)と、認証パーム油がサプライチェーンの全段階を通じ間違いなく受け渡されるシステムが確立されていることの認証(SCCS認証)という、2つの制度を設けています。いずれもRSPOは直接、審査・認証業務は行わず、第三者でのあるRSPO認定の認証機関が実施します。 認証されたパーム油には、認証品であることを証明するロゴマークを表示することができます。認証されたサプライチェーンモデルに応じて、使用できるロゴマーク及び認証パーム油ついての表示が異なっております。

6. 4つのサプライチェーンモデルについて

パーム油の複雑なサプライチェーンを反映して、3つの認証モデルと1つの証券化モデルがあります。

  1. アイデンティティプリサーブド(Identity Preserved, IP) 認証された生産現場から最終製品製造段階に至るまで完全に他のパーム油と隔離され、どの生産農園から得られたのかが特定できる認証モデル。
  2. セグリゲーション(Segregation, SG) 複数の認証された農園から得られた認証パーム油からなり、他の非認証パーム油とは混合されることなく、認証油だけで最終製造者まで受け渡される認証モデル。生産農園を一つに特定できないが、認証農園から生産された原料であることが保証される。
  3. マスバランス(Mass Balance, MB) 認証農園からの認証油が流通過程で他の非認証油と混合される認証モデル。物理的には非認証油を含んでいるが、購入した認証農園と認証油の数量は保証される。
  4. ブックアンドクレーム(Book & Claim, B&C) 物理的な認証油の移動を伴う3つの方式とは異なり、グリーンパーム・プログラムのもとで認証油の証券が生産者と最終製品製造者・販売者との間でオンライン取引されるモデル。これによりサプライチェーンの認証油流通体制が未整備で調達困難な場合でも、認証生産者を直接的に支援することが可能になる。

7. RSPO会員としてのコープクリーンにできること

日本国内におけるRSPOの認知度はいまだかなり低く、一般消費者にはほとんど浸透していないものと思われます。今後もコープクリーンが発行する宣伝物等を通じてRSPOの存在をアピールして行こうと考えています。又、認証パーム油製品の使用についても、2012年より、B&C方式にて、粉末衣料用洗剤分の認証証券を購入しております。今後、さらに採用製品の範囲を広げてゆくとともに、マスバランス方式、セグリゲーション方式の認証パーム油製品の導入を計画しております。近い将来、認証品のロゴマークを表示したCOOP商品を開発して行きたいと考えています。皆様方のご支援をお願い致します。